アジア記者クラブ


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沖縄と本土の溝は埋まらないのか
日本人と既存メディアが直視すべきこと


■日時:2016年6月29日(水)18時45分〜20時45分
■受付時間:18時15分〜
■会場:明治大学・研究棟2階・第9会議室/★要予約(定員50名)
(東京都千代田区神田駿河台2−1/JR・地下鉄千代田線「御茶ノ水」下車/地下鉄半蔵門線・都営三田線「神保町」下車)
■主催:明治大学島嶼文化研究所
■共催:アジア記者クラブ(APC)
■資料代:1500円/明治大学生・教職員無料(要予約)
■ゲスト:新垣毅さん(琉球新報・東京支社編集部長)


 「米軍基地問題の不条理に対し、沖縄社会は尊厳を懸けて抗う強さを増している。しかし、私たちは、成人式を終え、希望に満ちていた20歳の女性の命を守れなかった」。
 来日するオバマ大統領に沖縄に来て謝罪すべきだと説いた琉球新報の松元剛・編集局報道本部長による特別評論の一節だ。この「私たち」に本土の日本人は含まれるのだろうか。日米首脳会談で、日米地位協定への言及がなかったと報じた本土メディアが、地位協定の改定や廃止、日米同盟の是非を根本から問いかけたことがあったであろうか。沖縄の米軍基地問題や辺野古の新基地建設を座視している結果責任からメディアは無関係でいられるのか。
 6月定例会は、明治大学島嶼文化研究所と共催で、4月に着任されたばかりの琉球新報東京支社の新垣毅さんをお招きして開催します。新垣さんが『沖縄の自己決定権』を上梓してから1年が経過しました。6月の沖縄県議選でも翁長知事の県政与党が大勝したことで、米軍基地問題の不条理に対する沖縄県民の意思は一層強固になったといえるでしょう。この本土との落差、溝を少しでも埋めるには何をなすべきなのか。新垣さんの報告を受けて、討議したいと考えています。



★予約⇒お名前、所属、会員の有無、Eメール、電話番号を記載の上、配布資料の準備の関係上、必ず2日前までにEメール(apc@cup.com 宛)でお申込み下さい。返信メールでの承認がなかれば参加できませんので注意願います。






2001年以降の定例会

  • 2015年11月 マスメディアは生き残ることができるのか(青島顕さん/毎日新聞社会部記者・金井辰樹さん/東京新聞政治部長・徳山喜雄さん/朝日新聞記事審査室幹事)

  • 2015年10月 メディアは新自由主義に立ち向かえるのか 日本の極右政権を許容する米国の意図(中野晃一さん/立憲デモクラシーの会・上智大学教授)

  • 2015年9月 テレビ朝日は安倍政権の圧力に屈したのか(岩崎貞明さん/元テレビ朝日記者・『放送レポート』編集長)

  • 2015年8月 朝鮮から「戦後70年」を問い直す 「140年戦争」という視座から(愼 蒼宇さん/法政大学准教授)

  • 2015年7月 東アジアの分断と和解 日中韓朝ロの平和と協調から見えてくる潜在力 (羽場久美子さん/東アジア共同体評議会副議長)

  • 2015年6月 日中間の戦争記憶の乖離はなぜ生まれたのか(長井暁さん/ジャーナリスト)

  • 2015年5月 ボリバル革命17年の歩みを語る ベネズエラは米国の脅威ではない(セイコウ・イシカワ閣下/駐日ベネズエラ・ボリバル共和国特命全権大使)

  • 2015年4月 習近平政権の強硬外交をどう読むのか 反中ナショナリズムと日中関係の危機(矢吹晋さん/横浜市立大学名誉教授)

  • 2015年3月 沖縄戦から70年 県民の犠牲は無駄だったのか 辺野古への新基地建設と安倍政権の暴走(糸数慶子さん/参議院議員・沖縄社会大衆党委員長)

  • 2015年2月 東京新聞は総選挙をどう報じたのか 論点明示報道と新聞の可能性(瀬口晴義さん/社会部長、吉田昌平さん/政治部デスク)


  • アジア記者クラブ(APC)への入会方法

    年会費5000円(海外在住者7200円)を郵便振替で下記までご入金ください。所属、入会のきっかけ、Eメールアドレスを書き添え願います。『アジア記者クラブ通信』(全頁カラーのPDF版か紙版)が毎月送付されます。

    加入者名:アジア記者クラブ
    記号:00180-4-709267


    問い合せ:電子メール:apc@cup.com







    アジア記者クラブ(APC)の目指すもの

    記者会見と記者室の完全開放を求め、全ての取材者に開放された報道センターの設置をアジア記者クラブは提案します。

    既成メディアによる歪曲報道、情報操作、本質を隠す煙幕報道の実態を「アジア記者クラブ通信」(会報)上で明らかにし、批判的に検証します。

    世界のオルタナティブメディアの動向を積極的に紹介し、既成のメインストリームメディアとの違いが相対的に理解できるようにします。読者や視聴者が賢くなるためのメディアリテラシー向上に努めます。

    市民の側に立ったジャーナリストを、企業内、個人、研究者、有志を問わず組織し、連携できるネットワークを構築します。

    オルタナティブな視点をもった民衆のための新しいメインストリームメディアの創出を提案します。





    特集:こうすればニュースは面白くなる

    「アジア記者クラブ通信」4月(282)号

    ■2月定例会リポート(2016年2月24日)
    ベトナム戦争から40年後の現実
    中野亜里(大東文化大学国際関係学部教授)


     サイゴン陥落で終わったベトナム戦争を経て南北ベトナムが再統一され、ベトナム社会主義民主共和国が誕生して7月で40年になる。近年は東京、大阪とハノイ、ホーチミンシティ(旧サイゴン)間を航空機が連日運行し、日本人観光客らが多数訪れるベトナム。1995年にASEAN加盟を果たし、日本と同じくTPPに参加する一方、南シナ海の領海問題ではフィリピンなどとともに中国への対抗姿勢を強めている。日米両国と原子力協定を結ぶなど、かつて敵だった米国との関係改善も進む。「ベトナム戦争から40年後の現実」と題し、長年にわたって現地調査などを行ってきた中野亜里・大東文化大国際関係
    学部教授にお話をうかがった。(編集部)


    【朝鮮半島】北朝鮮を越え中国の体制転換狙う制裁決議
    北の核開発は罠なのか?
    カーラ・ステア(地政学アナリスト)


     3月2日に採択された5度目となる国連安保理の対北朝鮮制裁決議2270が「国連創設以来、最も厳しい制裁」とされる中、本稿は北朝鮮の核・ミサイル開発を止めさせることを大義名分とするこの制裁決議の根底には北朝鮮崩壊のみならず、中国が盟主となった感のある東アジアの政治地図の抜本転換を狙う米国主導の西側同盟国の計略があると指摘する。米国政府は北朝鮮悪魔化のため脱北者らに偽の証言を強いて北朝鮮の人権侵害がいかに常軌を逸したものであるかを徹底キャンペーンし、同時に米韓軍事演習などの軍事圧力で北を核開発へと誘導した。北の核兵器・弾道ミサイル開発は韓国へのTHAAD(終末段階高高度防衛ミサイル)配備の格好の口実となる。ところが、THAAD配備の動きは中国の軍拡をいやおうなく加速させている。つまり、筆者はこの計略が軍拡競争によるソ連経済疲弊とソ連邦崩壊を企てたレーガン政権の「スターウォーズ」計画の再現とみるのだ。決議は西側の敵対国せん滅シナリオの中核となりつつある。(編集部)


    【メディア】アサド政権転覆にヒラリー関与
    グーグルと3人4脚 
    ウキィリークスが暴露
    ブライアン・マクドナルド(ジャーナリスト)


     ウィキリークスがまた大きな仕事を成し遂げた。ヒラリー・クリントン国務長官時代の個人電子メール・サーバーから3万322通の電子公文書を公開したからだ。グーグルはシリアの反政府勢力を後押しするために対話型ツールを設計し、シリアで米国に言いなりの報道をさせるためにアルジャジーラが協力していたことがヒラリーのメールによって明らかになった。筆者は、西側メディアがこの事実を黙殺している事態に対して、逆の場面を提起する。筆者が寄稿したRTが他国の政権転覆を後押し、ロシア最大の検索サイト、ヤンデックスが反政府勢力を支援していることがハッキングされたラブロフ外相の個人メールから明らかになったとしたら、RTやヤンデックスは西側メディアによる非難の嵐にさらされるだけでなく、潰れていただろうという。WEBの世界では、この事態の深刻さにいち早く抗議の声を上げたのはフリーランサーや個人ブロガーたちであった。(編集部)


    ◆【キューバ】ハイチ人が見たオバマ訪玖
    米国の植民地支配の野心がなぜ隣国から見えるのか
    ダディ・チェリー(ジャーナリスト/ハイチ)


     「米国の政治家たちは、キューバを孤立させようと企てている間に自分たちの国が孤立する羽目になってしまったという厄介な状況を改善するためにハバナに乗り込んだ」。キューバの隣国ハイチ出身の筆者は、世界が注目したオバマ大統領のキューバ訪問の意図をこのように看破した。西側メディアによれば、経済的困窮を極めたキューバが対米関係改善に迫られ、“人権問題”で米国に譲歩を迫られたという逆の構図になっている。筆者は、売春宿とカジノ、換金作物だけの植民地だったキューバが、革命政権によって、57年かけて国民皆保険と同一労働同一賃金を苦労しながら実現したことを民衆は支持しているという。医療水準の高さだけでなく、ソフトウェア技術の高さや観光資源の豊かさなど、米国市場がキューバを必要としている実情報告と歴史の裏付けは見事である。米国が複数政党制の民主主義国だというオバマの自慢話には、米大統領選を引き合いに、ジェスチャー・ゲームに過ぎないと一蹴している。(編集部)



    【解説】キューバの人権問題
    編集部


     今回のオバマ訪玖を伝える邦字ニュースでも、キューバの人権問題が重大事であったかのような報道が繰り返された。重大事どころか、本当に問題なのだろうか。キューバの人権問題とは何なのか、歴史を振り返りながら、省察してみたい。
    (編集部)


    【沖縄】在外基地設置に狂奔する米国をどうみるか
    「警察官辞任」論への疑問
    ウエイン・マドセン(調査報道ジャーナリスト)


     米国の経済力の衰えとともに、右派知識人を中心に「米国は世界の警察官を止めたがっている」との見方がまことしやかに語られてきた。だが、本通信は「ワシントンは財政健全化を図りながら、日本の使い方に典型的に見られるように従属国群の資金、人材、技術を巧みに活用して覇権の再構築を図っている」との見方を一貫して主張してきた。米国は決して「警察官」を辞任しようとしてはいないのだ。常に「巨大な敵の台頭」を既成メディアとともに過剰に宣伝し、世界中の親米勢力を敵との戦いに団結させ、「米国との同盟によって保護されている」ことへの応分の負担を増大させている。本稿はとりつかれたように新たな手口で世界中に在外基地を拡張し続ける米国の姿勢を生々しく描く。オバマ大統領が安倍首相に会うたびに辺野古での新基地建設の遅れに懸念を示
    すのは、米支配層にとって「沖縄の痛みなど顧みるに値しない」との本音の吐露であり、「敵に備える」基地の設置、「警察官」の駐屯地が絶対優先される背景を解説してい
    る。(編集部)


    【中南米】ベネズエラで恩赦法に抗議する最初の大衆行動
    テレスール


     右派勢力が15年ぶりに議会の多数を占めたベネズエラでは、2月に右派与党が仲間の刑事犯の釈放を認めさせるため恩赦法を承認した。殺人も含めた重大な犯罪が法で裁かれ収監された被告たちを解放しようとする国会(AN)に、数千のベネズエラ人が抗議してカラカスの通りを行進した。(編集部)


    【書評】キャサリーン・ジェーン・フィッシャー著『涙のあとは乾く』(講談社)

    【書評】西日本新聞安保取材班『安保法制の正体「この道」で日本は平和になるか』(明石書店)


    ※本文は通信上でお読み下さい。
    ※全頁カラーのPDF版も提供中。





    特集:オルタナティブメディアとジャーナリズム

    世界のオルタナティブメディアの躍動を伝えるシリーズ

    ■軍事クーデターの標的にされたテレスール
    世界の進歩的な人々を惹きつける放送局を語る
    グレゴリー・ウィルパート(テレスール英語放送ディレクター)
    マイケル・アルバート(Z magazine 創刊人)


     中東カタールの衛星放送局アルジャジーラにヒントを得たチャベス大統領の後押しでベネズエラのカラカスに衛星放送局テレスールが開設されてから今年で10年になる。欧米の報道機関、とりわけCNNスペイン語放送の情報独占に対抗することが急務で、「米国主導の政治機構のレンズを通して形成されてきた」歪んだ情報を正す必要があったからだ。昨年7月からは待望の英語放送が始まった。アルジャジーラが国王による編集権への介入を受けて、「世界を支配しようとする米国や西欧諸国の取り組みを暴くこと」を忌避する中で、英語放送のディレクター、ウィルバートはインタビューに答えて、テレスールの役割と目標に加え、「進歩主義的なウェブサイトやその他の報道機関との将来の協力合意が西側主流メディアの対抗メディアにとって極めて大事になる」と明言する。本稿の後半には、2月中旬にベネズエラで摘発された軍事クーデターの攻撃目標に、マドゥーロ大統領ら政権首脳の殺害と合わせて、テレスールが含まれていた謀議を告発するカベージョ国会議長の報告を併載した。(編集部/3月・270号)



    ■ネムツォフ殺害はCIAの犯行と見よ   暴走を続ける米諜報機関
    ポール・クレイグ・ロバーツ(エコノミスト)


     レーガン政権下の財務次官補でエコノミストの筆者は、2015年2月28日、モスクワで起きたプーチン大統領の政敵、ボリス・ネムツォフの殺害事件を巡り米欧の主流
    メディアがプーチン非難の大合唱を繰り広げる中、「殺害はCIAの犯行」と断定的に語る。米政府と深くつながっていたネムツォフの暗殺は、約半世紀前のケネディ暗殺に象徴される、コントロール不能となったCIAの暴走の一環とみるのだ。極めて短いものの、本稿は米国が覇権を掌握した後の現代世界での最も深刻な病巣の1つを抉っている。ケネディの前任者アイゼンハワーが大統領退任にあたり「軍産複合体が米国を蝕む」と警告したが、1970年代にはチャーチ委員会(情報活動調査特別委員会)を筆頭に米上院委員会は米国の政府や議会がCIAやFBIなど諜報機関への制御能力を失ったと警告を発した。実際、CIAなどはテロ戦争を口実に世界中で体制転覆、政治殺戮、テロを歯止めなく繰り広げている。本稿はネムツォフ殺害事件への重要な視座を提供する。(編集部/3月・270号)



    ■平和賞受賞者マララ・ユスフザイは社会主義者だ
    タブー視する西側メディア
    ベン・ノートン(アーティスト)


    パキスタンでは青年層を中心にマルクス主義への共感と社会主義運動が急速に高揚している。西側メディアがこれを積極的に報じることは決してない。ましてや2014年のノーベル平和賞を受賞した17歳のパキスタン人女性、マララ・ユスフザイがマルクス主義を「抑圧からの解放の真の武器」とみなし、支持層を拡大するパキスタン労働党の今年の党大会に熱烈なメッセージを送ったことをほとんどタブー扱いしている。筆者は既成メディアがマララの受賞理由を「教育こそ唯一の解決手段」との訴えに矮小化しており、パキスタン人ヒロインの実像の黙殺に抗議する。同時に、ホワイトハウスの執務室で米大統領が署名、指揮して実行されていると言われる米軍の無人機による爆撃がいかに多数のパキスタンの一般住民を殺害し、罪亡き人々の悲痛な訴えが無視されているのを厳しく糾弾する。(編集部/11月・267号)



    ■非西側陣営の記者は政治殺戮の標的となる
    「報道の自由」という偽善 
    エリック・ドレイツァー(独立地政学アナリスト)


    西側陣営に属さない記者ばかりか、米国主導の世界秩序の内幕を鋭く暴く記者は政治殺戮の標的となる。この指摘は、生活保守意識と右傾化が加速するばかりの日本社会では今や「極左のたわごと」と一蹴され、西側メディアの“国際記者”の多くもこれにお墨付きを与えそうだ。本稿で紹介されている非西側陣営のジャーナリストの死が政治的な抹殺であるのは紛れもない事実と断言できる。米政府は米軍特殊部隊、あるいはその訓練を受けた現地の軍・警察や民兵組織を動かして、日々「反抗する」記者たちを抹殺している。筆者はこれを米国のダブルスタンダードと批判するが、「カラー革命」と呼ばれる体制転換とそれに向けた政治工作はその延長線上にある。本稿は非西側世界の視点に立って、「言論・報道の自由」を再考する機会を付与している。(編集部/10月・266号)



    ■「第4の権力」はほとんど有名無実で機能せず
    プロパガンダ代行する報道機関
    ジョン・ピルジャー(ジャーナリスト)


    本稿は近現代の商業メディアの抱える宿痾(しゅくあ)、あるいはジレンマに真正面から切り込んだ秀逸なメディア論である。エドマンド・バークが18世紀にジャーナリズムを「第4の権力(Fourth Estate)」と定義したのに依拠し、かつて“戦後民主主義の旗手”を自称した日本の記者らは「メディアの任務は権力の監視だ」とことあるごとに語った。だが、その任務遂行に立ちはだかるは2つの大きな障害物があった。1つは言うまでもなく、既存メディアの経営が収入面で広告主(資本)に過剰に依存していること。もう1つは記者クラブという存在が象徴するように主流メディアを権力層に取り込んでしまう巨大なシステムが戦前から構築されていたことだ。筆者は該博な知識を駆使しつつ、イラク戦争をはじめさまざまな現代の欧米メディアの報道ぶりを批判的に紹介して、「我々が今必要としているのは第5の権力だ。プロパガンダを監視、解体し、それに反対して、若者たちに権力者にではなく、一般の人々に奉仕することを教えるジャーナリズムが必要」と訴える。(編集部/1月・268号)


    ※本文は通信上でお読み下さい。





    特集:ベネズエラ情勢・軍事クーデター未遂2月事件

    詳細な情勢分析を邦字で唯一伝える情報源

    ■テレスールの記者が語る“政府転覆”工作の真相
    メディアが伝えなかったベネズエラ反政府暴動の内情
    ライアン&タマラ(テレスール記者)


     2月に軍事クーデターが摘発されたべネズエラでは1年にわたって騒乱が続いてきた。政府による政治的抑圧や民衆の経済的不満から“平和的”抗議デモが続き、それを治安部隊が弾圧、死傷者が出ているという形で国際メディアは報じてきた。本稿は実際にベネズエラの路上でこの1年間、政府転覆工作がどのように展開され、治安部隊や政府支持者の死傷者が、逆に政府による弾圧の犠牲者にすり替えられていったかをテレスールの記者2人が取材し続けてきた報告と分析である。ここでも失われる必要のなかった市民や治安部隊員の生命が工作の犠牲になった。この一連の騒乱ではソーシャルメディアが多用され、ブルガリアの治安部隊や米国のポルノサイトの暴力場面がベネズエラの治安部隊の暴力場面だと一斉に流用され、それを国際メディアが転電するという“役割分担”が繰り返されたことも特徴だった。報道が政府転覆工作に加担する構図が出来上がっていたのだ。この国際メディアの報道を転電することに終始し、街頭に出ても政府への不満を聞きかじるだけの邦字メディアの報道は、もはや犯罪的であるとしか言いようがない。(編集部/3月・270号)


    ■ベネズエラ・ボリバル共和国に対する継続的クーデターの枠組の中で起こされた新たな行動とアメリカ合衆国の干渉に対して、ニコラス・マドゥロ大統領が国内および国際社会に向けて発表した声明(2015年2月13日)

     ニコラス・マドゥロ、ベネズエラ・ボリバル共和国大統領は、民主的に設立された政府を転覆しようというベネズエラの右翼と外国勢力の行為を2014年以来非難してきた。ベネズエラの民主主義に対する暴力的な攻撃は、極右の勢力が行っている。彼らの目的は、民主主義制度の安定を脅かし、わが国で過去15年間に実施された各選挙で継続的に承認されてきた国民の意思を無視して自分たちの計画を強制しようというものである。(以下声明全文)(編集部/3月・270号)


    ■「孤立しているのはベネズエラでなく米国だ」
    米キューバ国交正常化の背景を問う
    ウィリアム・カマカロ(COHAのアナリスト)
    フレデリック・B・ミルズ(ボウイー州立大学教授)


     米国の喉元に突き刺さる棘で「不倶戴天の敵」とされていたキューバとオバマ米政権との国交正常化の動きが急進展しており、それをどう読むかが論議の的となっている。本稿は「米国がキューバとの国交を回復へと動くのと同時にベネズエラに新たな制裁を科したことで、米国の戦略が全般的に変更されたのではないことが判明した」と説明。その上で、南北アメリカ全域の地政学的観点からは孤立し焦っているのは米国であり、米国の動きがベネズエラを中核とする南米諸国の結束をかえって強固にしているとみる。また一時「世界最大の産油国」米国のシェールオイル革命への対抗策との説明が流布されたサウジアラビア主導の石油輸出国機構(OPEC)の原油価格下落の放置説は偽情報で、真の狙いは米・サウジ共同のベネズエラ、ロシア、イランなど反米産油国の経済破綻工作とみる。とりわけ、ボリバル革命運動、すなわち米国支配に抗する南米全域の連帯運動を主導するベネズエラの体制転換こそワシントンの焦眉の課題であると解説する。(編集部/2月・269号)


    ■ベネズエラ体制転換への米国の策動が加速
    繰り返される「覇権国」の政略
    ニル・ニカンドロフ(ジャーナリスト)


     反米主義を毅然と掲げた稀に見るタフな指導者だったチャベス前大統領の死を受け、CIAをはじめ米関係機関は、米国が“悲願”とするベネズエラの現体制転換に向けて準備を着々と整えている。石油価格が急落し、産油国ベネズエラの経済の土台が揺らいでいる。こんな中、ベネズエラ国内への武器の大量搬入、ベネズエラ国境沿いのコロンビア領内での反政府勢力の結集と軍事訓練、有能な若者たちの反政府勢力への勧誘と育成、そして周到に計画に基づき実行される政治虐殺。予想通りとは言え、世界いたるところ、とりわけ裏庭とされた中南米諸国で同じ手法で繰り返されてきた米国の反米勢力掃討の動きがベネズエラ現政権を改めて標的にした。本稿は、世界の目線が新冷戦の最前線となったウクライナの動向に奪われている間隙を縫うかのように進行した「覇権国」の策動をビビッドに伝えている。(編集部/1月・268号)



    ※本文は通信上でお読み下さい。


    アジア記者クラブについて

    日ごろ会えない人や話す機会のない人をゲストに迎え、話に耳を傾け、立場や見解は違っても当事者から意見を聞き、質疑応答する。終了後の名刺交換会ではゲストも交えて議論を深め、ネットワークを構築し、時には難題を抱えている会員の手助けもする。今では、小さいながら事務所を維持し、運営委員会と事務局がAPCの運営に当っています。会員数は、2015年6月1日現在で265名を数え、日本最大の「記者クラブ」に成長した。毎月、定例会リポートを掲載した会報紙「アジア記者クラブ通信」も発行し、これだけ読むためにAPCに参加した人がいるほど好評です。

    日本独特の記者クラブ制度の閉鎖性に異議を唱え、開かれた市民のためのジャーナリズムを創出しようとフリーランサーや市民が議論を始めたのがアジア記者クラブの始まりでした。最初は5〜6人の集まりで、情報を集めたい、真実を知りたいという人が気軽に集まり、肩書きや所属組織とは関係なく議論できる場として猫の額ほどの事務所を間借りしたのが1992年11月。昼間は官民で仕事に就く人たちから、生活苦と闘いながらジャーナリズム活動に希望を見い出していたフリーランサーたちの議論に、企業内ジャーナリストたちも参加するようになった。そこで、毎月1回、勉強と議論の場を持つことになった。それが今日まで毎月開催している定例会(6月で229回)です。

    事実を深く掘り下げ、メディアの情報操作や嘘を監視すると同時に、孤立している企業内記者は支援するという姿勢を維持してきた。ジャーナリズムと平和と人権、第三世界に関心のある方は、どなたでも参加できる本来あるべき記者クラブの原型は、こうして形作られてきました。そうした人たちがいつでも集い、明るく闊達に議論を交わす場はいつでも開かれています。もちろん、議論に耳を傾けているだけの人でも参加できるので、ご安心を。好奇心と議論好きの皆さん、アジア記者クラブに参加して、真実を追いかけてみませんか。

    ■代表委員 現在空席(事務局長が代行)

    ■毎月の定例会と月刊機関誌『アジア記者クラブ通信』の発行(紙版とPDF版)を行っています。どなたでも会員になれます。会員の方には機関誌を1年間ご送付致します。入会をご希望の方は、所属、入会の動機、Eメールアドレス、電話番号(携帯)を明記していただき、年会費5000円(海外在住者7200円)を郵便振替で下記までご入金ください。

    加入者名:アジア記者クラブ/記号:00180-4-709267

    〒101-0061 東京都千代田区三崎町2-6-2 ダイナミックビル5F たんぽぽ舎気付(2015年6月21日に移転) / E-mail:apc@cup.com

    ■問い合わせ
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