アジア記者クラブ


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沖縄報道を考える
深まるジャーナリズムの危機の中で


■日時:2018年11月21日(水)18時45〜20時45分
■受付時間:18時15分〜
■会場:専修大学神田キャンパス・3号館・303教室/★要予約(定員50名)
(東京都千代田区神田神保町3-8)
■アクセス:JR中央線・総武線「水道橋」駅西口下車/地下鉄・都営線「神保町」か「九段下」駅下車
■主催:アジア記者クラブ(APC)
■協力:人文・ジャーナリズム学科山田研究室
■資料代:1500円/会員1000円/専修大教員・職員・学生無料(要予約)
■ゲスト:山田健太さん(専修大学教授)

 翁長雄志前沖縄県知事の後継候補として知事選で圧勝した玉城デニー新知事は、辺野古への新基地建設阻止を強調し、沖縄の基地負担軽減を具体的な形で示すように政府に求めたが、安倍政権は民意を受けた玉城知事の要望にも一顧だにしない姿勢を変えていない。
 名護市や宜野湾市の市長選同様に、今回の沖縄県知事選でも政府が新基地建設に反対するオール沖縄候補と対立する候補を安倍政権が丸抱えで支援し、ネガティブキャンペーンなどの情報操作やバラ色公約の拡散など手段を選ばない異様な選挙が続いてきた。
 沖縄の周辺に目を向ければ、朝鮮半島中心に軍縮と非核化に向けた対話が東アジアで進行する中で、日本版海兵隊の先島諸島への展開の是非も問われてこなかった。
 11月定例会は、『沖縄報道―日本のジャーナリズムの現在』(ちくま新書)を上梓された専修大学の山田健太さんをゲストにお招きします。在京紙(全国紙)と沖縄県紙を比較した方は、その報道格差がひどくなっていることに気づくはずです。当日は、明確に安倍政権と一体となって基地強化策を説く本土紙が出現し、沖縄と本土の温度差から分断へとメディア状況が変化する中で、なぜ本土メディアが事実を歪めるのか、なぜ忖度するのか、沖縄の新聞と放送の歴史と現状、フェイクニュースの噴出と沖縄ヘイトの背景に至るまで解説していただきます。
 



★予約⇒お名前、所属、会員の有無、Eメール、電話番号を記載の上、配布資料の準備の関係上、必ず2日前までにEメール(apc@cup.com 宛)でお申込み下さい。返信メールでの承認がなかれば参加できませんので注意願います。






2001年以降の定例会

  • 2018年11月 沖縄報道を考える 深まるジャーナリズムの危機の中で(山田健太さん/専修大学教授)

  • 2018年10月 明治維新は革命だったのか 朝鮮・中国蔑視の源流、征韓論を検証する(吉野誠さん/東海大学名誉教授)

  • 2018年9月 ケチって火炎瓶事件の真相を語る 安倍首相は暴力団に選挙妨害を依頼したのか(山岡俊介さん/ジャーナリスト)

  • 2018年8月 騙されてたまるか 調査報道の裏側で(清水潔さん/日本テレビ報道局)

  • 2018年7月 なぜ拉致問題は解決済みなのか 日本政府の対北圧力一辺倒と政治利用の果て(金志永さん/朝鮮新報社編集局長)

  • 2018年6月 『総書記 遺された声』と日中関係の将来 日中国交45年目の秘史を読み解く(佐藤祐介さん/NHK大阪放送局ディレクター)

  • 2018年5月 なぜ北朝鮮巡る邦字報道が歪むのか. 金正恩政権と朝米首脳会談後の東アジア(李 柄輝/朝鮮大学校准教授)

  • 2018年4月 加計問題「総理のご意向」 報道は幕引きなのか 朝日新聞記者が権力と対峙した1年を語る(西山公隆/朝日新聞記者)

  • 2018年3月 今なぜ瀬長亀次郎なのか 保革を超えて人を惹きつけたカメジロー(佐古忠彦/TBS)

  • 2018年2月 美濃加茂市長事件は終わったのか. 繰り返された犯人視報道と警察・検察の暴走(郷原信郎/弁護士)

  • 2018年1月 朝日新聞はどこに向かうのか 紙面の迷走を検証する(高嶋伸欣/琉球大学名誉教授)

  • 2017年12月 「国家の共謀」 日本はどこへ向かうのか 経済危機と世界のパラダイム転換を 理解できないマスコミの罪(古賀茂明/「改革はするが戦争はしない」フォーラム4代表・元内閣審議官・元経済産業省官僚)

  • 2017年11月 アジア記者クラブ設立25周年記念シンポジウム ジャーナリズムの再生をもとめて(大治浩之輔/元NHK記者・徳山喜雄/立正大学教授、元朝日新聞記者・萩原豊/TBS外信部、「NEWS23」前編集長)

  • 2017年10月 なぜ日米同盟が基軸になるのか. 対米従属の現代史を検証する(吉田敏弘/ジャーナリスト)

  • 2017年9月 昭和天皇の戦争の何が消されたのか 『実録』の隠されたメッセージ (山田朗/明治大学教授)

  • 2017年8月 元TBS記者のレイプ疑惑、何が問題なのか 問われるべき旧態依然の性意識、官邸の関与(太田啓子/弁護士)

  • 2017年7月 なぜ歴史認識が日中の政治対立に発展するのか 日中全面戦争80年の意味を問う(伊香俊哉/都留文科大学教授)

  • 2017年6月 沖縄で中立な報道があるのか 取材現場で写真家が逮捕される時代を問う(島崎ろでぃー/写真家・報道カメラマン)

  • 2017年5月 米朝対立、朝鮮半島危機をどう見るのか 政府の対北政策、邦字報道を検証する (武貞秀士/拓殖大学大学院特任教授)

  • 2017年4月 朝日新聞阪神支局襲撃事件から30年 赤報隊を生んだ時代状況は変わったのか(樋田毅/朝日新聞社大阪秘書役)

  • 2017年3月 日中戦争・盧溝橋事件から80年 あの戦争は、中国・朝鮮蔑視から始まった(田中宏/一橋大学名誉教授)

  • 2017年2月 国立元市長への個人賠償確定を考える 景観保護が営業妨害なのか(上原公子/元国立市長)

  • 2017年1月 朝日赤報隊のwam「爆破予告」と日本社会 歴史認識の否定が深めるアジアでの孤立(池田恵理子/アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館-wam」館長)

  • 2016年12月 本土の記者は沖縄をどう伝えてきたのか 「基地問題」「沖縄差別」に応えて(川端俊一/朝日新聞記者)

  • 2016年11月 尖閣での日中衝突は起こりうるのか 中国脅威論と翼賛報道を検証する(岡田充/共同通信客員論説委員 趙宏偉/法政大学教授 村田忠禧/横浜国立大学名誉教授)

  • 2016年10月 緊迫するスーダン情勢を考える 自衛隊は火中に飛び込むのか(栗本英世さん/大阪大学教授  栗田禎子さん/千葉大学教授)

  • 2016年9月 メディア最大のタブー日米同盟を検証する 辺野古新基地建設と今も生きる核密約(春名幹男さん/早稲田大学客員教授)

  • 2016年8月 政治主導の武器輸出は成功するのか 稲田防衛相就任で何が変わる(望月衣塑子さん/東京新聞社会部記者)

  • 2016年7月 南シナ海領土紛争を多角的に検証する 国連の仲裁は公正なのか(矢吹晋さん/横浜市立大学名誉教授)

  • 2016年6月 沖縄と本土の溝は埋まらないのか 日本人と本土メディアが直視すべきこと(新垣毅さん/琉球新報社・東京支社報道部長)

  • 2016年5月 戦後政治を終わらせることができるのか 参院選を前に考えておくべきこと(白井聡さん/京都精華大学教員)

  • 2016年4月 沖縄の米兵の性暴力は根絶できるか 米兵事件の被害者が実名で語る(キャサリン・ジェーン・フィッシャーさん)

  • 2016年3月 OurPlanet-TVが伝えたフクシマの5年間 非営利メディアだからできること(白石草/OurPlanet-TV代表)

  • 2016年2月 ベトナム戦争から40年後の現実(中野亜里さん/大東文化大学教授)

  • 2016年1月 ハンギョレが見た安倍政権と日韓関係(吉倫亨さん/ハンギョレ・東京特派員)

  • 2015年12月 日本占領期インドネシアの実像に迫る 戦時性暴力被害、開発独裁と日本(倉沢愛子さん/慶応大学名誉教授)

  • 2015年11月 マスメディアは生き残ることができるのか(青島顕さん/毎日新聞社会部記者・金井辰樹さん/東京新聞政治部長・徳山喜雄さん/朝日新聞記事審査室幹事)

  • 2015年10月 メディアは新自由主義に立ち向かえるのか 日本の極右政権を許容する米国の意図(中野晃一さん/立憲デモクラシーの会・上智大学教授)

  • 2015年9月 テレビ朝日は安倍政権の圧力に屈したのか(岩崎貞明さん/元テレビ朝日記者・『放送レポート』編集長)

  • 2015年8月 朝鮮から「戦後70年」を問い直す 「140年戦争」という視座から(愼 蒼宇さん/法政大学准教授)

  • 2015年7月 東アジアの分断と和解 日中韓朝ロの平和と協調から見えてくる潜在力 (羽場久美子さん/東アジア共同体評議会副議長)

  • 2015年6月 日中間の戦争記憶の乖離はなぜ生まれたのか(長井暁さん/ジャーナリスト)

  • 2015年5月 ボリバル革命17年の歩みを語る ベネズエラは米国の脅威ではない(セイコウ・イシカワ閣下/駐日ベネズエラ・ボリバル共和国特命全権大使)

  • 2015年4月 習近平政権の強硬外交をどう読むのか 反中ナショナリズムと日中関係の危機(矢吹晋さん/横浜市立大学名誉教授)

  • 2015年3月 沖縄戦から70年 県民の犠牲は無駄だったのか 辺野古への新基地建設と安倍政権の暴走(糸数慶子さん/参議院議員・沖縄社会大衆党委員長)

  • 2015年2月 東京新聞は総選挙をどう報じたのか 論点明示報道と新聞の可能性(瀬口晴義さん/社会部長、吉田昌平さん/政治部デスク)


  • アジア記者クラブ(APC)への入会方法

    紙版購読会員の年会費1万円、PDF版購読会員の年会費5千円(海外在住者は、通信はPDF版のみ)を郵便振替で下記までご入金ください。所属、入会のきっかけ、Eメールアドレスを書き添え願います。『アジア記者クラブ通信』(全頁カラーのPDF版か紙版)が毎月送付されます。

    加入者名:アジア記者クラブ
    記号:00180-4-709267


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    アジア記者クラブ(APC)の目指すもの

    記者会見と記者室の完全開放を求め、全ての取材者に開放された報道センターの設置をアジア記者クラブは提案します。

    既成メディアによる歪曲報道、情報操作、本質を隠す煙幕報道の実態を「アジア記者クラブ通信」(会報)上で明らかにし、批判的に検証します。

    世界のオルタナティブメディアの動向を積極的に紹介し、既成のメインストリームメディアとの違いが相対的に理解できるようにします。読者や視聴者が賢くなるためのメディアリテラシー向上に努めます。

    市民の側に立ったジャーナリストを、企業内、個人、研究者、有志を問わず組織し、連携できるネットワークを構築します。

    オルタナティブな視点をもった民衆のための新しいメインストリームメディアの創出を提案します。





    特集:邦字メディアが伝えない国際報道記事

    『アジア記者クラブ通信』10月(310)号


    【マレーシア】
    イスラエルの残虐行為を止めさせよ 国連総会演説(正式訳)

    マハティール・ビン・モハマド
    マレーシア首相

     国連総会の一般討論で9月28日、マハティール首相が行った演説の全文を紹介する。日本では国連本部での記者会見でマハティール首相が日本国憲法9条改憲の動きに苦言を呈したことがクローズアップされたが、戦争やテロを終わらせるためにその原因を除去させなければならないと訴えた演説全文にマハティール首相の説く平和外交の構想と国連を弱体化させている主要国の二枚舌がもたらす矛盾が明示されているからだ。職業としての政治家が評判を落とし続ける中で、マハティール首相が示す卓見と勇気は示唆に富む。(編集部)


    【メディア】
    フィナンシャルタイムスの嘘
    好戦的プロパガンダ紙の実態
    日本経済新聞は信用できるか

    ジェームス・ペトラス
    ビンガムトン大学名誉教授

     フィナンシャルタイムス(FT)紙が日本経済新聞社(日経)傘下に入って11月でちょうど3年が経過した。買収額の高さばかりが話題になってきた同紙の紙面の質については誰も問題にしてこなかった。今年1月に邦字メディアとつながりの深い東京大学大学院情報学環がコロンビア大学ジャーナリズム大学院と日経の3者で「これからのジャーナリズムを考えよう」とFT紙を無謬礼賛したように、これまで先行するモデル紙であるかのようなイメージが刷り込まれてきた。本稿は、政治家、ビジネスパーソン、報道関係者、中国・経済研究者に影響を与えてきたFT紙が、いかに長年にわたって彼らの判断を誤らせただけでなく、戦争を煽り、経済政策を誤らせるプロパガンダ機関へ変貌するのを決定づけた政治的背景についてより大きな視点から概説した論考である。筆者は、軍事力による権力奪取を「民主主義への移行」と言い換え、金融市場における情報操作を繰り返してきた数多の実例を引用しながら、同紙が報道目的と名前を「衰退する帝国の声」と見直すべきだと説く。(編集部)


    【中米日】
    トランプが動かす日中関係
    なぜ対米依存が突出するのか
    中国の台頭と日米安保体制

    ジョセフ・ナイ
    ハーバード大学名誉教授

     日中関係は良好なのか。経団連の後押しで重い腰をあげた安倍首相は、これまでの反中発言が嘘のように日中首脳会談で友好協力関係強化を強調した。ところが米国の前では日本政府は相変わらず、南シナ海での領有権紛争では「拠点構築を進める中国」と中国をけん制し、海上自衛艦の南シナ海での軍事演習に参加させ、中国包囲網を念頭にインド洋からアフリカにかけての安全保障を分担する責任に言及する。本稿は、米安全保障政策の論客であるジョセフ・ナイがトランプ政権下で日米安保体制と日米関係、日中関係の“あるべき姿”を米国の利益を代弁して説いた論考である。筆者は、持論である「東アジアにおける重要な戦略課題は中国の台頭である」を念頭に、軍事同盟にある2国間で依存度の高い国がパートナーシップに気を配る力学から米日中の関係を解説する。安倍政権の極度の対米依存と突出するリップサービスを考える上でも重要なヒントを与える。(編集部)


    【サウジアラビア】
    事前に知っていた殺害計画
    カショギ氏には通報せず
    米諜報機関の警告義務違反

    ムーン・オブ・アラバマ

     サウジアラビア人ジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏殺害事件は、実行犯の特定と殺害現場のカショギ氏本人の音声記録が公開され、殺害実行をサウジ政府が拒めなくなり、皇太子の関与否定と現場で暴走したとされる犯人を拘束したと殺害を認めざるを得ない異例の展開となった。本稿は、イスタンブールのサウジアラビア総領事館にジャマル・カショギ氏が入った10月2日の8日後に執筆された米諜報機関の殺害事件前の動向から事件の構図を読み解いた解説記事である。筆者は、警告義務が規定に反して行われなかった理由が米政府の同盟国に対しては人権問題で介入しない国是にあり、米国とサウジの同盟がイエメンなど他の地域で実行している殺害にはどの国も沈黙していると事件の背景を語る。米政府の二重基準、前近代的な祭政一致国家サウジアラビアの実情に踏み込むことのなかった既存メディアへの「この事件をめぐるニュースが他のニュースにトップニュースの座を明け渡すまでには少しだけ長い時間がかかるだけだ」との筆者の痛烈な皮肉は他人事ではない。(編集部)


    【北朝鮮】
    米国と北朝鮮が闘わば
    一方的勝利は不可能
    戦争より外交こそ選択肢

    デイブ・マジャムダー
    ナショナル・インタレスト誌
    軍事問題編集担当

     北朝鮮(以下、朝鮮)で13カ所の未公表ミサイル基地が存在することに触れた報告書を日本に強い影響力を行使する米戦略国際問題研究所(CSIS)が公表した。朝米首脳会談でも朝鮮が一方的な武装解除を行う約束はしていない。これまでも繰り返されてきた「非核化をサボタージュする朝鮮」という印象操作の一環である。本稿は、秘匿兵器を所有し非核化の約束守らなければ戦争も選択肢になるとの発言に対して、朝米両国が戦火を交えれば、開戦数日のうちに旧式の通常兵器や防空網しか持たない朝鮮が壊滅するとの言説が成り立たないことを実証した反論である。筆者は、悲惨な結末を迎える戦争より、外交での解決を促す。(編集部)





    特集:近隣諸国を理解するために何を読むのか

    『アジア記者クラブ通信』11月(311)号

    ■7月定例会リポート(2018年7月26日)
    なぜ拉致問題は解決済みなのか
    日本政府の対北圧力一辺倒と政治利用の果て

    金志永(朝鮮新報編集局長)


     9月に平壌で開かれた今年3回目の南北首脳会談を受けて、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金正恩朝鮮労働党委員長と米国のドナルド・トランプ大統領による2度目の首脳会談の実現可能性が高まっている。韓国との関係改善や平昌冬季五輪参加に言及した金委員長の新年の辞で始まった今年、朝鮮半島情勢はトランプ大統領の「核ボタン」発言をはさみつつも劇的な変化を遂げた。金委員長と韓国の文在寅大統領による「9月平壌共同宣言」と同時に採択された付属合意書には南北軍事境界線エリアでの緊張緩和を図る規定もあり、朝鮮戦争終戦への動きを先取りするものだとの評価も聞かれる。こうした流れにあって「蚊帳の外」と言われるのが日本で、官邸スタッフと朝鮮高官との極秘接触が一部で報じられたものの、日朝対話の機運は高まっていない。拉致問題の解決を第一とする安倍晋三首相は2002年の日朝平壌宣言をしきりに口にするものの、14年のストックホルム合意も含めて日本側はその内容を履行してきたのか。現地取材歴も長い朝鮮新報編集局長の金志永さんに半島情勢と日朝関係について語っていただいた。(編集部)



    【朝鮮学校】
    日本における民族教育の意義

    前川喜平
    元文部科学省事務次官

     朝鮮学校を高校無償化の対象から外したのは違法だとして訴えた朝鮮学校関係者による訴訟は原告敗訴が続いている。いずれも門前払いに等しい判決だ。フランス人、ドイツ人の学校からは「自分たちに無償化は必要ない」という声が上がる一方で、なぜ朝鮮学校にだけ無償化が適用されないのか。この問題に前川喜平氏は、憲法の人権規定が「国民」を前提にしていることが外国人の定住が続く現実との矛盾を拡大させている点を踏まえ、教育勅語や国体思想に代表される日本民族を特別視する風潮が拡大するヘイトや朝鮮学校差別の背景にあると説明する。前川氏の講演は、東京朝鮮中高級学校高級部の卒業生が提訴した控訴審判決(敗訴)を控えた10月13日、枝川の東京朝鮮第2初級学校で開催された。(編集部)


    【北朝鮮】
    朝米合意を破ったのは誰か
    制裁で悪化する人道危機
    悪名高い国別決議の舞台裏

    カーラ・ステア 
    GR国連本部駐在記者

     国連のグテレス事務総長が朝鮮民主主義人民共和国(DPRK、以下朝鮮)が人道危機に直面しており、とくに食料不足は深刻で、子供の5人に1人が発育不良だと発表、経済制裁とは別に人道支援の必要性を国際社会に呼びかけたのは今年7月のことだ。本稿は、朝米合意以降も朝鮮の非核化に向けた取り組みとは別に、なぜ朝鮮への人道援助の禁止も含めた制裁が継続されているのか、制裁の結果、どのような深刻な事態が朝鮮国内で発生しているのか、国連で「制裁決議」が特定の国家に対する兵器として使われている現状を告発する。筆者は、朝鮮の体制を見下す米国の狙いがあくまで朝鮮の体制転換にあることを明かした上で、社会主義体制を憎悪する資本主義の楽園の惨状を対比させる。(編集部)


    【中国】
    伝えられないウイグル問題
    何が歪められているのか
    ETIMの武器化とCIA

    ウィリアム・エングダール
    戦略リスク・コンサルタント

     100万人のウイグル人が強制収容所で弾圧されている。中米貿易戦争の先行きが見えない中で、強制収容所とされる空撮写真と共に西側主流メディアではここ数カ月、大きな話題を提供したニュースだ。この数字は新疆ウイグル自治区のウイグル人の10%に相当する人数でもある。本稿は、このニュースの情報源が怪しげなウイグル人権団体や亡命政府にあることを踏まえた上で、シリア内戦にウイグル人イスラム教徒をリクルートしている米国、トルコ、NATO、サウジなど西側諸国が「ウイグル問題」を事件化する狙いを詳説した分析記事である。筆者は東トルキスタンイスラム運動(ETIM)が、ワシントンがハンドリングする地域不安定化の手駒としての役割を担い、この収容所問題が中国のロシア製兵器輸入問題と並んで対中制裁の対象になったように、今回の報道もワシントンが取り仕切る世界秩序に対して新たに出現した唯一の脅威を破壊する宣戦布告だと説く。(編集部)




    【メディア】
    NATO軍司令官を辞任させた
    辣腕ジャーナリストの死の謎
    政府による“処刑”か事故か

    ロバート・ブリッジ
    ジャーナリスト

     「メディアは政府に対して戦争を布告すべきである」と宣言していた辣腕ジャーナリストの死から5年が経過した。布告されたのは、戦争国家であり、影の政府が軍事と外交、金融政策を取り仕切る米国政府である。本稿は、ヘイスティングスの死体解剖報告書に記載されている情報と衝突事故現場の実況見分から得られた証拠の明らかな矛盾をクローズアップすることで、4年前に発表された自動車の遠隔操作による殺害説の検証を迫る内容になっている。筆者は、エンジンの飛散、激しい燃焼の謎、なぜ衣服や男女の認証が可能だったのか、財布だけが無傷だった謎を際立たせた上で、事故とはとても考えられないことを示唆する。(編集部)




    【編集後記】

     金志永さんに報告をお願いした7月定例会リポートをお届けいたします。平壌宣言以降、この16年間に日朝関係の何が歪められ、その中で、拉致問題がどのような役割を果たしてきたのかを明らかにできたと思う。その中でも、朝鮮学校無償化適用除外に代表される在日朝鮮人への繰り返される嫌がらせは常軌を逸している。こうした非論理的かつ感情的排外主義を煽る形で便乗してきたマスメディアの責任も計り知れないくらい大きい。前川喜平氏の講演録とカーラ・ステアの分析記事の3本を読むことで、情勢認識を新たにし、日朝国交樹立と拉致問題解決の方向性を明確にできるのではと考えた。ジャーナリズムの役割は、限りなく正確な情報を判断材料として読者、視聴者に伝えることにある。▼日本企業への賠償を命じた韓国の徴用工判決に日本政府とメディアはいきり立っているが、日韓条約で個人賠償を放棄していないだけでなく、被害者が救済を求める限り、日本として戦争犯罪と個人への戦時賠償にどう取り組むのか、和解には避けられない問題ではないか。この問題で外務官僚と話したことがあるが、「一体いくら賠償すればいいと思っているんだ。限がない」という回答だった。太平洋の玉砕の島でも多くの朝鮮人が強制徴用労働者として死亡している。日朝の賠償交渉の席で俎上に上がった時に説明できるのか。▼前川喜平氏の講演は示唆に富んでいる。安倍政権がごり押しする“外国人材拡大”法案が実態をかけ離れた机上の空論であるだけでなく、労働現場の外国人の日本への失望を拡大させ、非人道的労働現場の裾野を悪い方向に拡大させるだけで、解決につながらないことが明白だと教えてくれる。技能実習制度が奴隷制度の隠れ蓑になっていることへの替案にもなっているではないか。▼キューバの青年の島(旧ピノス島)にアフリカ15カ国と朝鮮民主主義人民共和国の留学生学校(小学校から大学まで)があった。四半世紀前にナミビア、アンゴラ、サハラアラブ民主共和国の学校を訪ね、高校生と大学生に話を聞いたことがある。医師、教員、農業技術者の養成も行っていた。彼らはキューバのアフリカへの貢献は計り知れないと述べた上で、一日も早く祖国に戻って社会建設に参加したいとはやる気持ちを語ってくれた。母国語や民族教育はそれぞれの出身国の教員が務めるが、それ以外は費用も教員もキューバ政府が負担していた。▼米軍牧港住宅地区は1987年に日本に返還され、那覇新都心として商業施設に転換し、軍用地の28倍(2015年)の雇用や経済効果を生み出している。沖縄には日本の米軍基地の74%が集中する。その全てが安全保障環境からも、財政負担の面からも不要である。米軍基地の跡地を商業施設地に転換すると同時に、アジアや第三世界からの留学生や技術研修生を受け入れる教育施設を併設してはどうだろうか。技術習得後は日本企業で日本人と対等の条件で働くこともできる。家族との定住も可能。日本にも青年の島が必要なのではないか。沖縄(琉球)の万国津梁の精神と歴史を考えると、日本で最も相応しい地ではないかと思う。▼カーラ・ステアとエングダールのような緻密な取材記事を邦字メディアで目にすることはない。残念ながら事実だ。在京全国紙の記者たちが、朝鮮やロシアに対して、国連の「制裁決議」を破っている、守っていない、と声高に唱える記事はウンザリするほど読まされてきた。その前に、ステアのように国連制裁決議の内幕を検証した記者がいたのか寡聞にして知らない。エングダールのような事実認識と検証の手法にこそ学ぶ価値がある。とくに後者は、新たな戦場取材の方法のヒントにもなるのではないだろうか。▼邦字メディアでキューバやベネズエラなど社会主義を指向する国家に関する報道が歪む理由を考えてみた。新自由主義の洗礼を受けている記者は、例えば、キーワードとして多用されている「21世紀の社会主義」について理解が及ばないのであろう。世界で最も貧富の差の大きな地域だ。生まれた瞬間にその人の人生が決まってしまう社会について考えたことがあるだろうか。空腹に耐えかねた子供が僅かな食べ物を盗んだだけで射殺され、地平線まで自分の土地だという大地主や大金持ちが存在する。米国の国境に向けて行進する人々の背景にある社会だ。▼20年前の12月30日、ボリビアで同月中旬にチェ・ゲバラのゲリラ部隊で全滅した後衛部隊の兵士の遺骨が発見され、キューバで彼らの国葬が執り行われた。前年にはゲバラら前衛部隊の戦死者の遺骨が帰還し、国葬が挙行されていた。前者では、アルゼンチン生まれのドイツ人女性タマーラ・ブンケ・ビーデル(タニア)も含まれ話題になったが、ラミーロ・バルデス革命司令官は追悼演説の中で、「ラテンアメリカ全体のことを考え、非常に勇気があって知的で物事を深く考えることのできる若者たちでした」と戦死者たちを形容した。一人だけ遺骨が戻らなかった(翌年帰還)日系ボリビア人フレディ・マエムラ(前村)については、「一人だけ負傷して捕虜になり、チェの居所を白くように拷問を受けたが、殺されるまで口を割らなかった」と紹介していた。マエムラは医師として従軍していた。昨年公開されたオダギリジョー主演の日玖合作映画『エルネスト』でキューバ人スタッフが「俺たちの映画だ」と語る背景だ。生まれた瞬間に人生が決めつけられる社会に抵抗した人たちがいた。▼「21世紀の社会主義」やコンミューン体制を巡る議論に戻せば、相手の語っていることを日本の記者が理解していないか全く伝えないので事実が伝わらない。支持するかしないかの問題ではない。事実か否かの問題だ。現地でも欧米メディアの転電に依拠するので、中南米に駐在する意味がなくなっているだけでなく、邦字メディアの記者たちは米国目線なので、ベネズエラのような国を敵視する。日頃、メディアの“中立”を唱える記者たちが、である。彼らが国内に戻ってきて書く記事は信用できるのだろうか。▼ヘイスティングスの死から5年。抜群の取材力と筆力のあるジャーナリストだったが、米軍から直接警告を受け、マイケルも警戒している中での“事故死”だった。今号のメディア記事はこの記事を選択した。翻って日本では、『DAYS JAPAN』が1月号で休刊。週刊金曜日の経営危機が話題になっているが、北村肇氏がいう高齢者の雑誌だったのか、以前から指摘を受けていた「朝日新聞の悪いところと市民運動の悪いところが合併した」雑誌だったのか、議論が必要だ。佐高信氏の退社のコメントはいかがなものかと思うが、『創』12月号で特集が組まれている。ジャーナリズムを巡る課題は山積しているのだが、雑誌媒体の消滅に拍車がかからない。新聞も他人事ではない。(森)

    ※本文は通信上でお読み下さい。
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    特集:オルタナティブメディアとジャーナリズム

    世界のオルタナティブメディアの躍動を伝えるシリーズ

    ■軍事クーデターの標的にされたテレスール
    世界の進歩的な人々を惹きつける放送局を語る
    グレゴリー・ウィルパート(テレスール英語放送ディレクター)
    マイケル・アルバート(Z magazine 創刊人)


     中東カタールの衛星放送局アルジャジーラにヒントを得たチャベス大統領の後押しでベネズエラのカラカスに衛星放送局テレスールが開設されてから今年で10年になる。欧米の報道機関、とりわけCNNスペイン語放送の情報独占に対抗することが急務で、「米国主導の政治機構のレンズを通して形成されてきた」歪んだ情報を正す必要があったからだ。昨年7月からは待望の英語放送が始まった。アルジャジーラが国王による編集権への介入を受けて、「世界を支配しようとする米国や西欧諸国の取り組みを暴くこと」を忌避する中で、英語放送のディレクター、ウィルバートはインタビューに答えて、テレスールの役割と目標に加え、「進歩主義的なウェブサイトやその他の報道機関との将来の協力合意が西側主流メディアの対抗メディアにとって極めて大事になる」と明言する。本稿の後半には、2月中旬にベネズエラで摘発された軍事クーデターの攻撃目標に、マドゥーロ大統領ら政権首脳の殺害と合わせて、テレスールが含まれていた謀議を告発するカベージョ国会議長の報告を併載した。(編集部/3月・270号)



    ■ネムツォフ殺害はCIAの犯行と見よ   暴走を続ける米諜報機関
    ポール・クレイグ・ロバーツ(エコノミスト)


     レーガン政権下の財務次官補でエコノミストの筆者は、2015年2月28日、モスクワで起きたプーチン大統領の政敵、ボリス・ネムツォフの殺害事件を巡り米欧の主流
    メディアがプーチン非難の大合唱を繰り広げる中、「殺害はCIAの犯行」と断定的に語る。米政府と深くつながっていたネムツォフの暗殺は、約半世紀前のケネディ暗殺に象徴される、コントロール不能となったCIAの暴走の一環とみるのだ。極めて短いものの、本稿は米国が覇権を掌握した後の現代世界での最も深刻な病巣の1つを抉っている。ケネディの前任者アイゼンハワーが大統領退任にあたり「軍産複合体が米国を蝕む」と警告したが、1970年代にはチャーチ委員会(情報活動調査特別委員会)を筆頭に米上院委員会は米国の政府や議会がCIAやFBIなど諜報機関への制御能力を失ったと警告を発した。実際、CIAなどはテロ戦争を口実に世界中で体制転覆、政治殺戮、テロを歯止めなく繰り広げている。本稿はネムツォフ殺害事件への重要な視座を提供する。(編集部/3月・270号)



    ■平和賞受賞者マララ・ユスフザイは社会主義者だ
    タブー視する西側メディア
    ベン・ノートン(アーティスト)


    パキスタンでは青年層を中心にマルクス主義への共感と社会主義運動が急速に高揚している。西側メディアがこれを積極的に報じることは決してない。ましてや2014年のノーベル平和賞を受賞した17歳のパキスタン人女性、マララ・ユスフザイがマルクス主義を「抑圧からの解放の真の武器」とみなし、支持層を拡大するパキスタン労働党の今年の党大会に熱烈なメッセージを送ったことをほとんどタブー扱いしている。筆者は既成メディアがマララの受賞理由を「教育こそ唯一の解決手段」との訴えに矮小化しており、パキスタン人ヒロインの実像の黙殺に抗議する。同時に、ホワイトハウスの執務室で米大統領が署名、指揮して実行されていると言われる米軍の無人機による爆撃がいかに多数のパキスタンの一般住民を殺害し、罪亡き人々の悲痛な訴えが無視されているのを厳しく糾弾する。(編集部/11月・267号)



    ■非西側陣営の記者は政治殺戮の標的となる
    「報道の自由」という偽善 
    エリック・ドレイツァー(独立地政学アナリスト)


    西側陣営に属さない記者ばかりか、米国主導の世界秩序の内幕を鋭く暴く記者は政治殺戮の標的となる。この指摘は、生活保守意識と右傾化が加速するばかりの日本社会では今や「極左のたわごと」と一蹴され、西側メディアの“国際記者”の多くもこれにお墨付きを与えそうだ。本稿で紹介されている非西側陣営のジャーナリストの死が政治的な抹殺であるのは紛れもない事実と断言できる。米政府は米軍特殊部隊、あるいはその訓練を受けた現地の軍・警察や民兵組織を動かして、日々「反抗する」記者たちを抹殺している。筆者はこれを米国のダブルスタンダードと批判するが、「カラー革命」と呼ばれる体制転換とそれに向けた政治工作はその延長線上にある。本稿は非西側世界の視点に立って、「言論・報道の自由」を再考する機会を付与している。(編集部/10月・266号)



    ■「第4の権力」はほとんど有名無実で機能せず
    プロパガンダ代行する報道機関
    ジョン・ピルジャー(ジャーナリスト)


    本稿は近現代の商業メディアの抱える宿痾(しゅくあ)、あるいはジレンマに真正面から切り込んだ秀逸なメディア論である。エドマンド・バークが18世紀にジャーナリズムを「第4の権力(Fourth Estate)」と定義したのに依拠し、かつて“戦後民主主義の旗手”を自称した日本の記者らは「メディアの任務は権力の監視だ」とことあるごとに語った。だが、その任務遂行に立ちはだかるは2つの大きな障害物があった。1つは言うまでもなく、既存メディアの経営が収入面で広告主(資本)に過剰に依存していること。もう1つは記者クラブという存在が象徴するように主流メディアを権力層に取り込んでしまう巨大なシステムが戦前から構築されていたことだ。筆者は該博な知識を駆使しつつ、イラク戦争をはじめさまざまな現代の欧米メディアの報道ぶりを批判的に紹介して、「我々が今必要としているのは第5の権力だ。プロパガンダを監視、解体し、それに反対して、若者たちに権力者にではなく、一般の人々に奉仕することを教えるジャーナリズムが必要」と訴える。(編集部/1月・268号)


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    特集:ベネズエラ情勢・軍事クーデター未遂2月事件

    詳細な情勢分析を邦字で唯一伝える情報源

    ■テレスールの記者が語る“政府転覆”工作の真相
    メディアが伝えなかったベネズエラ反政府暴動の内情
    ライアン&タマラ(テレスール記者)


     2月に軍事クーデターが摘発されたべネズエラでは1年にわたって騒乱が続いてきた。政府による政治的抑圧や民衆の経済的不満から“平和的”抗議デモが続き、それを治安部隊が弾圧、死傷者が出ているという形で国際メディアは報じてきた。本稿は実際にベネズエラの路上でこの1年間、政府転覆工作がどのように展開され、治安部隊や政府支持者の死傷者が、逆に政府による弾圧の犠牲者にすり替えられていったかをテレスールの記者2人が取材し続けてきた報告と分析である。ここでも失われる必要のなかった市民や治安部隊員の生命が工作の犠牲になった。この一連の騒乱ではソーシャルメディアが多用され、ブルガリアの治安部隊や米国のポルノサイトの暴力場面がベネズエラの治安部隊の暴力場面だと一斉に流用され、それを国際メディアが転電するという“役割分担”が繰り返されたことも特徴だった。報道が政府転覆工作に加担する構図が出来上がっていたのだ。この国際メディアの報道を転電することに終始し、街頭に出ても政府への不満を聞きかじるだけの邦字メディアの報道は、もはや犯罪的であるとしか言いようがない。(編集部/3月・270号)


    ■ベネズエラ・ボリバル共和国に対する継続的クーデターの枠組の中で起こされた新たな行動とアメリカ合衆国の干渉に対して、ニコラス・マドゥロ大統領が国内および国際社会に向けて発表した声明(2015年2月13日)

     ニコラス・マドゥロ、ベネズエラ・ボリバル共和国大統領は、民主的に設立された政府を転覆しようというベネズエラの右翼と外国勢力の行為を2014年以来非難してきた。ベネズエラの民主主義に対する暴力的な攻撃は、極右の勢力が行っている。彼らの目的は、民主主義制度の安定を脅かし、わが国で過去15年間に実施された各選挙で継続的に承認されてきた国民の意思を無視して自分たちの計画を強制しようというものである。(以下声明全文)(編集部/3月・270号)


    ■「孤立しているのはベネズエラでなく米国だ」
    米キューバ国交正常化の背景を問う
    ウィリアム・カマカロ(COHAのアナリスト)
    フレデリック・B・ミルズ(ボウイー州立大学教授)


     米国の喉元に突き刺さる棘で「不倶戴天の敵」とされていたキューバとオバマ米政権との国交正常化の動きが急進展しており、それをどう読むかが論議の的となっている。本稿は「米国がキューバとの国交を回復へと動くのと同時にベネズエラに新たな制裁を科したことで、米国の戦略が全般的に変更されたのではないことが判明した」と説明。その上で、南北アメリカ全域の地政学的観点からは孤立し焦っているのは米国であり、米国の動きがベネズエラを中核とする南米諸国の結束をかえって強固にしているとみる。また一時「世界最大の産油国」米国のシェールオイル革命への対抗策との説明が流布されたサウジアラビア主導の石油輸出国機構(OPEC)の原油価格下落の放置説は偽情報で、真の狙いは米・サウジ共同のベネズエラ、ロシア、イランなど反米産油国の経済破綻工作とみる。とりわけ、ボリバル革命運動、すなわち米国支配に抗する南米全域の連帯運動を主導するベネズエラの体制転換こそワシントンの焦眉の課題であると解説する。(編集部/2月・269号)


    ■ベネズエラ体制転換への米国の策動が加速
    繰り返される「覇権国」の政略
    ニル・ニカンドロフ(ジャーナリスト)


     反米主義を毅然と掲げた稀に見るタフな指導者だったチャベス前大統領の死を受け、CIAをはじめ米関係機関は、米国が“悲願”とするベネズエラの現体制転換に向けて準備を着々と整えている。石油価格が急落し、産油国ベネズエラの経済の土台が揺らいでいる。こんな中、ベネズエラ国内への武器の大量搬入、ベネズエラ国境沿いのコロンビア領内での反政府勢力の結集と軍事訓練、有能な若者たちの反政府勢力への勧誘と育成、そして周到に計画に基づき実行される政治虐殺。予想通りとは言え、世界いたるところ、とりわけ裏庭とされた中南米諸国で同じ手法で繰り返されてきた米国の反米勢力掃討の動きがベネズエラ現政権を改めて標的にした。本稿は、世界の目線が新冷戦の最前線となったウクライナの動向に奪われている間隙を縫うかのように進行した「覇権国」の策動をビビッドに伝えている。(編集部/1月・268号)



    ※本文は通信上でお読み下さい。


    アジア記者クラブについて

    日ごろ会えない人や話す機会のない人をゲストに迎え、話に耳を傾け、立場や見解は違っても当事者から意見を聞き、質疑応答する。終了後の名刺交換会ではゲストも交えて議論を深め、ネットワークを構築し、時には難題を抱えている会員の手助けもする。今では、小さいながら事務所を維持し、運営委員会と事務局がAPCの運営に当っています。会員数は、2016年12月1日現在で271名を数え、日本最大の「記者クラブ」に成長した。毎月、定例会リポートを掲載した会報紙「アジア記者クラブ通信」も発行し、これだけ読むためにAPCに参加した人がいるほど好評です。

    日本独特の記者クラブ制度の閉鎖性に異議を唱え、開かれた市民のためのジャーナリズムを創出しようとフリーランサーや市民が議論を始めたのがアジア記者クラブの始まりでした。最初は5〜6人の集まりで、情報を集めたい、真実を知りたいという人が気軽に集まり、肩書きや所属組織とは関係なく議論できる場として猫の額ほどの事務所を間借りしたのが1992年11月。昼間は官民で仕事に就く人たちから、生活苦と闘いながらジャーナリズム活動に希望を見い出していたフリーランサーたちの議論に、企業内ジャーナリストたちも参加するようになった。そこで、毎月1回、勉強と議論の場を持つことになった。それが今日まで毎月開催している定例会(1月で248回)です。

    事実を深く掘り下げ、メディアの情報操作や嘘を監視すると同時に、孤立している企業内記者は支援するという姿勢を維持してきた。ジャーナリズムと平和と人権、第三世界に関心のある方は、どなたでも参加できる本来あるべき記者クラブの原型は、こうして形作られてきました。そうした人たちがいつでも集い、明るく闊達に議論を交わす場はいつでも開かれています。もちろん、議論に耳を傾けているだけの人でも参加できるので、ご安心を。好奇心と議論好きの皆さん、アジア記者クラブに参加して、真実を追いかけてみませんか。

    ■代表委員 現在空席(事務局長が代行)

    ■毎月の定例会と月刊機関誌『アジア記者クラブ通信』の発行(紙版とPDF版)を行っています。どなたでも会員になれます。会員の方には機関誌を1年間ご送付致します。入会をご希望の方は、所属、入会の動機、Eメールアドレス、電話番号(携帯)を明記していただき、年会費(紙版購読会員10,000円/PDF版購読会員5,000円/海外はPDF版のみ)を郵便振替で下記までご入金ください。

    加入者名:アジア記者クラブ/記号:00180-4-709267

    〒101-0061 東京都千代田区三崎町2-6-2 ダイナミックビル5F たんぽぽ舎気付(2015年6月21日に移転) / E-mail:apc@cup.com

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